今回のまとめ
本格的に勉強をタブレットでしようかな
→大学生は完全移行するのもあり
中高生は?
→現状併用がベストかな。でも使った方がいい
でも必ず学校のルール(電子機器の持ち込みなど)を確認してね!
オンライン授業終わったけど、このままPC等で勉強しようかな、というあなたへ
これもう本格的にタブレットでの勉強にシフトしてもいいのでは。ノートとシャーペンを捨てて。
オンライン授業をやってみてそう思った人も多いのではないでしょうか。私はこの意見に100%同意するという訳ではありませんが、タブレットも活用した方が学習の幅が広がるのは間違いありません。
でも実際そんなことできるのか、できるとしても本当に必要なのか。安い買い物ではないから、買ってから後悔したくない。でも持ってみたいという憧れはある。どうする?
そんな疑問にお答えできればと思います。
ちなみに・・・
本来「学生」とは高等教育、つまり大学生等以上を指す言葉ですが、この記事では高校生(+おまけで中学生)が使うことを想定しています。そちらは本来「生徒」という言葉を使います。ただ、「学生」は学校に通う者全般を指しもするので、語感と分かりやすさを重視してタイトルに使いました。
※大学生についてもちょっとだけ触れるよ
そういうあなたは誰ですか
私は私立の中高で社会科教師をしております。詳しくはプロフィールを見てください。
情報科じゃないの?という話ですが、今は社会科でもPCを使う時代。ICT教育の最先端の学校という訳ではありませんが、それでも週2時間ある地理の授業で半分はPC・タブレットの時間となっている学校で教えています。
まああとは個人的な趣味ですね。電子機器類は好きで、特に持ち運べるもの(モバイルPC、iPad、surfaceなど)は結構調べたり使ったりしています。
学校の状況と電子機器どちらもある程度わかっているので、学校でPC・タブレットを使うことに関しては色々お答えできると思います。
学校の勉強をタブレットでできるの?
タブレットでの勉強を検討している人が最初に当たる壁。それは、
そもそも可能かどうか、だと思います。
可能にも2種類あって、「タブレットで勉強ができるか」と「学校で使えるのか」はどちらも重要な課題です。
まずタブレットで勉強ができるかについて。
結論を言えば、可能です。シャーペンとノートもタブレットもどちらも道具でしかありません。勉強をするのは自分自身です。そのため、やろうと思えばどんな道具を使ってもどんな方法でも勉強することができます。問題は、効率的かどうか。これは中高大どの学校に行っているかによって変わります。
大学生について。PC・タブレットで十分可能で、場合によってはペンとノートが一切必要ありません。それは、大学が「研究するところ」ということと関係します。研究とは「自分の興味関心」について深く調べ、新たな発見をするものなので、自分に必要な情報を取捨選択しながらまとめていくことが求められます。その取捨選択に際しては紙よりもデータの方が圧倒的に効率的です。wordを用いたレポートも多いですし、タイピングが遅くて授業で追いつけそうにないという人でも、タッチペンとタブレットを使えばノートを取るのと同じように授業を受けることができます。iPadやsurfaceは問題なく実用に耐えます。でも実は、それができるのは中高での知識や経験があるからなんです。
高校生はどうでしょうか。基本的にはタブレットのみで勉強することはあまり効率的ではありません。よほどICTに力を入れている学校でない限り、教材のほとんどが紙での勉強を想定して作られているのでタブレット等の学習に最適化されていません。自炊(教科書等を裁断してスキャンすること)は現実的ではありませんし、いちいち必要なページを写真に撮るのも面倒です。また、高校までの勉強は基本的には取捨選択ではありません。自分にとって何が必要で何が必要でないか。これを判断するのは簡単なことではないからこそ、小中高とあらゆる知識を学び、様々な技能を習得するのです。
とはいえ、高校生にもなればかなり情報の整理ができるようになっていますし、教科によっては、また授業内容によってはタブレットの方が圧倒的に効率が良いこともあるかと思います。特に、調べる、まとめる、発表するなどについてはPC・タブレットの得意分野です。なので、高校生は「タブレットも併用する」のが一番良いのではないでしょうか。
中学生は?大枠の考え方は高校生と同じです。なのでタブレット「も」用いると、学習の幅が広がります。しかし、よく中学生を教える身から言わせていただければ、中学生の情報整理のレベルはまだまだです(というか日本語を書くこと自体あやしい)。もちろん全員ではないですよ。生徒によっては大学生顔負けの研究ができちゃう子もいますから。ただ、平均レベルだとどうかな。少なくとも授業(板書)はノートでとった方がいいと思います。東京神奈川の私立のレベルでです。ノートがしっかりとれる(必ずしも「きれいに」でなくてもいいが、自分にとって分かりやすいように整理できているレベル)ようになるまでは、勉強のベースはノートであるべきだと思います。でも先ほども述べたように、タブレットの得意分野もあるので併用すると便利です。
続いて学校で使えるかについて。
正直こればっかりは私はなんとも言えません。学校の取り組みとルール、教師の理解などが学校によりけりで、そもそも学校に持っていって良いのか、授業中に使っていいのか、その線引きは様々です。
買う前に必ず学校のルールを確認し、必要があれば先生に聞いてみてください。なお、先生に聞く場合は「こういう使い方をしたい」というのを明確にしておくことをおすすめします。説得力が違いますから。
PC・タブレットは学生にとって本当に必要なのか
併用であろうとタブレットが勉強に活用できるのは分かったけど、それはなきゃいけないものなの?これは特に買う側(親など)からしたら一番気になることでしょう。なので、ここからは特に個人的な見解が多く含まれるかとは思いますが、PC・タブレットが学生に必要かどうかを述べていきたいと思います。
ちなみに必要かどうかにも2種類の見方があるかと思います。1つ目は、そもそもこういった電子機器が必要なのかということ。2つ目は、必要なのは本当にPCなのかということ。スマホじゃなくて、という話です。
まず1つ目について。これは正直言うまでもないことだとは思いますが、今の時代はどんな職に就いてもPC類と無縁ではいられません。細かい使い方に関しては職業ごとに異なるケースが多く、仕事を始めてから学ぶという場合が多いのですが、そうはいっても機械自体に慣れているのとそうでないのとではやっぱりスタート地点が違いますから、早いうちから数多く触れておくのは必要なことだと思います。ただでさえ日本はICT教育後進国なんて言われているんですから。
なので私の意見は「必要」です。
2つ目について。これは難しいですね。ホリエモンが「今は仕事もスマホでできる」と言っていましたが、確かに多くのビジネスマンはスマホさえあれば可能かも知れません。職種にもよりますが。ただそれが効率的かどうかは別問題で、今現在で言えば、まだまだPCの方が効率的なものが多い気がします。しかしあと10年経ったらどうなるかはわかりません。
その上で私の意見を述べると、「絶対ではないが望ましい」です。つまり、学生はできるだけPCに触れた方がいいということ。
なぜかと言えば、スマホが感覚的に扱えてしまいすぎるからです。
特にiPhoneにその傾向が強い気はしますが、なんとなく触ってたらできちゃったというのがスマホの良さである一方、それだと仕組みや構造が一切分からないままなんですよね。
データの保存を例にすると分かりやすいと思います。
データのファイルはどういう形式で保存されており、それがどこにありどの階層のどのフォルダ内に格納されているのか。PCだとこれが視覚化されているので、無機質で面白味がない代わりに構造が理解しやすい。
一方スマホ(特にiPhone)だと、ファイルの形式もそこまで気にする必要がありませんし、それが本体ストレージだろうとSDカードだろうとクラウドだろうとどこに入っていようが構わず使えることが多いです。でも裏を返せば、裏側(PC・スマホの仕組み・構造)が見えにくくなっているということ。
昔撮ってデータ移行した写真が見つからなかったり、いつの間にか容量がいっぱいになっていて「整理してくれ」と言われたけれど、どれが消していいファイルか分からないしそもそも何が本体で何がクラウドにあるか分からない、何で容量を食っているかさえ分からない、という経験がある人も多いのではないでしょうか。
iPad OSで「ファイル」アプリが改良されたのは、そういう需要があったからでしょうね。
あらゆる技術が進歩していく中で、全てのものの仕組みを理解することはできませんしする必要もありません。しかし、メーカーが保証してくれないレベル(自己責任レベル)の物事に関しては仕組みを理解しているのとそうでないのとでは、緊急事態への対処の仕方が変わってきます。
なので、できればPC、せめてタブレットに触れておくことは、今後世の中がどうなろうと必要だと思います。
学生は何を買ったらいいのか
学校というものは一種の独立空間です。なので皆さんがどんな学校に行っているかで状況が大きく変わることはもう一度確認させてください。
その上で、一般論として言わせてもらうなら、今の時代PC・タブレットも使うに越したことはありません。今回のコロナ騒動でその重要性がはっきり示されました。
では実際どんなPC・タブレットを買えばいいのか。
今回の記事ではこれ以上長くすることが難しいのでここらで締めますが、近いうちに学校で使うのに適しているPC・タブレットの紹介もしていきたいと思います。
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