サッカー準決勝日本対スペイン惜敗!直後に思ったこと
2021年8月3日、東京オリンピックサッカー競技において、準決勝日本対スペインが行われた。
結果は延長戦の末0-1の敗戦。現在は4日午前2時。
私は中学サッカーまで、しかも大したレベルではないのでどの口が言うねん!という感じだが、やはり期待してテレビ観戦していた身としてはどうしても感想を言いたい!
ブログってそういうものだよねってことで、思ったことを書きたいと思う。
日付は変わっているが、まだ数時間しか経っていないので「当日レビュー」ということにさせてください笑
ということで思ったことを列挙
①1試合として考えれば「惜敗」
②「よく頑張った」と思ってしまった→まだ挑戦者
③良くも悪くもオーバーエイジの活躍が際立っていた
④監督の采配は・・・議論の余地はあるが決定的だったとは思わない
⑤「決定力不足」は事実だが、本質的な問題ではない
①1試合として考えれば「惜敗」
やはり世界の壁は厚い。
ベスト8のニュージーランド戦に続き120分の延長戦。どのような相手でも簡単には決着しなかった。とはいえ優勝候補と言われるスペインに対し、延長後半10分まで点を取られず0-0できていたのは事実。実力差がどうこうと言いたい人は多いだろうが、サッカーは団体でより多くの点を取るゲーム。個人の力量差で勝敗が決まるわけではないし、「より多く」の方法に優劣があるわけでもない。たくさん点を取るでも失点を防ぐでもかまわない。ということは、この試合の評価は延長0-1という結果から判断すべきだろう。
負けたのは事実。でも残り5分まで均衡を保っていたのは、惜敗と言って差し支えないだろう。
偉そうではあるがどうしても言いたい。
よく頑張った!
②「よく頑張った」と思ってしまった→まだ挑戦者
まさにこれ。
試合が終わり、悔しさというか、くー惜しかったなと思ったのと同時に、よく頑張ったと本心から思った。いや、思ってしまった。でも少し経ち、もしこれが野球だったら同じことを思っただろうか、と思った。延長10回1点差での敗戦。選手を前にしたら言うだろう、おつかれさま!よく頑張った!と(いや、実際は私は恥ずかしくて声をかけない)。でも、思ったに違いないし家の中なら言ったに違いない、「何やってんだ」と。
いや日本がスペインに勝てると本気で思ってたのかよ、という斜に構えたサッカー通(ぶってる人)を除いて、日本中の多くの人が「よく頑張った」と思ったに違いない。おそらく解説者の多くもそう言うだろう。でもこれが強豪とチャレンジ―の違いなんだろうな。強豪国のサポーターは「何やってんだ」というだろう。日本で実際に「何やってんだ」と口に出すのはセルジオ越後ぐらいじゃないかな。
じゃあ日本人も「何やってんだ」と言えばいいのかというと違うだろう。国民の意識だけで強豪国になれるのなら簡単だ。ニワトリが先でも卵が先でもない。選手のレベルも国民の意識も同時に変化していくものなのだろう。
実際、試合自体は僅差だった。でも、10回戦ったら4~5回は勝てそうかと言われると、決してそんなこともないだろう。でも勝ったとて「奇跡」とは言われない。適当だが2~3回は勝てるんじゃないかな。3回は言い過ぎか。でもそのぐらいの印象。だがそれはグループステージも含めての話。負けられないトーナメントでは数%ぐらいなんじゃないかな、適当だけど。
もう一度言うが、やはり試合自体は僅差だった。でもその小さな差は、詰めようとすると大きいのだろう。それが挑戦者が強豪になるということなのだろう。うーん、難しいねやっぱり。
③良くも悪くもオーバーエイジの活躍が際立っていた
このオリンピックを通して、日本の守備陣が際立って鉄壁なのは疑いようがないだろう。とはいえ今までの試合はそこそこ日本も攻めていた。しかしスペイン戦は、どうしても守備に回らざるを得なかった。それでも相手にしたら怖いカウンターもいくつかあったが。そういう試合だったので、どうしても活躍が目に付いたのは守備陣に多い。GK谷、DF板倉のみならず、全体的によく守った。しかしオーバーエイジの3人の安定感・安心感といったらもうそれはそれは。さすがA代表ね、と言わざるを得ない。ある意味それを期待されてのOAなのだが。でも逆にOA並みに(たとえ強豪相手でも)活躍が期待されていた(しなければならないと思われていた)選手が何人いたか。おそらく久保・堂安ぐらいだろう。彼らは怖さの片鱗は見せたが、やはり押し込まれていたのもあって決定的な仕事はできなかった。
ではスペインはどうだったか。おそらく結構な人数の選手が活躍を期待されていただろう。でも結局彼らも、(ものすごいうまさは見せたが)決定的な仕事はできなかった。しかし、3人の活躍を含む日本と互角(何度も言うが、点を取れない以上ポゼッションに関わらず結果としては互角だろう)の戦いを繰り広げたうえで、OAをひとり余らせていた。そして途中出場のOAアセンシオも、唯一の得点として決定的な仕事をし、やはりスペインもオーバーエイジの活躍が際立ったと言えるだろう。
11対11の完成度・戦術としては僅差だった日本とスペイン。だが、個々の技術力・ベンチも含めた選手層の厚さ・厚さからくる戦術の多様さ(日本はほぼカウンター狙いという戦術しか効果的なものは持ち合わせていなかった)・強豪国ゆえの落ち着きなどは、試合結果以上に大きな差を感じるものであった。
試合を僅差にしたのもOA。試合を決めたのもOA。おそらく日本ではOAも含め全員(特に守備陣)がよく頑張ったと言われる一方で、勝ったスペインはアセンシオ以外が批判の対象となりうるのだろう。やはり前章と結論は同じ。これが強豪と挑戦者の差か。
④監督の采配は・・・議論の余地はあるが決定的だったとは思わない
試合自体が僅差だと、話は監督の采配にも及ぶ。
色々話題はあるかもしれないが、その中でも久保と堂安の同時交代は議論の話題に上る機会が多いだろう。
疲れが見過ごせないレベルに達していたのだろうが、同時に替えるのはどうかと確かに思わないでもない。でも、じゃあ2人を交代させなければ勝てたかというと、その可能性も0%ではないというだけで、絶対結果が変わっただろうとも思わない。
何よりも、OAの選出は完璧だったと言えるだろう。
もちろん批判されることまで監督の仕事と言ってしまえばそれまでだが、100%試合がひっくり返るミスと言えない以上、議論の余地はあくまで議論の余地止まりなのだろう。いや、これはやはり挑戦者の思考なのだろうか。結果からたらればを言うのはフェアじゃないが、結果を受けての分析・改善は必要なのだろう。それはサポーターのあーだこーだも必要ではあるだろうが、たらればの域を出ない以上、協会にしっかりやってもらうしかない。
⑤「決定力不足」は事実だが、本質的な問題ではない
今までの話と深く関わり、また日本の課題として言われそうなこと。それは「決定力不足」だろう。
それは事実でしかなく、サッカーが点取り合戦である以上、強くなるためには最終的にそこしかない。しかし、それは目指すべき理想であり現実ではないように思う。あと10年経っても、日本人はブラジル人並みの決定力は身に付けられないだろう、何を変えても。
もう少し現実を見よう・分析しよう。強豪国はすべて決定力があるのだろうか。例えばスペインはそうではないだろう。最終的にアセンシオの決定力に負けたが、全体としてもっと決定力があればもっと早く試合は決まっていた。でもスペインは強豪。ということは決定力だけが強豪か否かを決めるのではない。
ではスペインはなぜ強いのか。結局、決定力が低いならばチャンスを増やすしかない。そのチャンスの数が圧倒的に多いのがスペインの特徴だろう。点が取れるか否かは決定力×チャンスの数(単純化すればね)。引いて守ればそう簡単には点を取られないのはもう日本も証明できている。じゃあ何を目指すのか。カウンター狙いならばやはり問題は決定力不足。つまり今のように強豪相手には引いて守る戦術を続ける限り、決定力を上げなければこれ以上強くはならない。でもスペインのようにチャンスを増やしたいならば、問題は決定力不足よりもバイタルエリアでもポゼッションを高められる技術力(止めて蹴るのレベルアップ)。相手によってはできているので、こちらの方が現実的か。短い距離ならできているので、長めの距離でもミスなくつなげればチャンスが増えるのではないか。となれば改善点は、パススピードと落ち着きではないかと思う。もちろん素人の考えではあるが。もしくは新たな第3の戦術の開発。育成の段階でどれかに絞る必要性はないだろうが、少なくとも試合が終わったタイミングで決定力不足を嘆いても仕方のないことだろう。せめて選手選考の段階で。って結局そうなると監督の問題になるのか笑
となるとやっぱり今回金メダルが取れなかったのは実力不足か監督の力量、もしくはその両方。
そこは認めるしかないが、やはりステップアップとは一足飛びにはそうそうできないもの。まずは色に関わらずメダルを取ることから始めよ、というサッカーの神からの思し召しか。ならば日本のサッカーの段階を進めるために何とかして銅メダルを確保してほしい。
3位決定戦、がんばれニッポン!
コメント